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- 医療の未来をつくる全国からの声 診療所探訪
アレルギー疾患に対する認識を深め、治療の普及・推進に尽力
院長の西村浩先生は国立相模原病院(現・独立行政法人国立病院機構 相模原病院)で、アレルギー疾患治療の経験を積んだ後、地域医療に尽力するために西村クリニックを開業。呼吸器や皮膚などのアレルギー疾患の他、内科疾患全般の診療を行ってきました。
少年期の悲壮な体験を通し、医師を志す
西村先生は中学2年生の時に、ペニシリンによるアナフィラキシーショックで母親を亡くすという悲しいできごとを経験しています。さらに心理的影響か、その後大腸炎を繰り返して栄養失調に陥り、3カ月余りの入院生活を余儀なくされたそうです。「命や健康の大切さを痛感したというか、頭にたたき込まれました。それが、私が今医師であることの原点です」。弘前大学医学部を卒業後、一度は総合病院に就職した西村先生ですが、32歳の時、アレルギー診療施設だった国立相模原病院のリウマチ・アレルギーセンターに赴任します。「医師になった以上、やはり、母を奪ったアレルギー疾患を克服したいという思いがありました。診療を続けるうちに、それがますます強くなったのです」。
アレルギーに対する認識向上を促すために
国立相模原病院でアレルギー疾患の診療や研究に携わった後、1985年に西村クリニックを開業した西村先生。患者さまに疾患と治療に対する理解を促す、丁寧な診療を心掛けてきました。「例えば気管支喘息の患者さまなら、3カ月に1回は必ずスパイロメーターで呼吸機能を測定し、データを一緒に確認します。病態はもちろん、治療経過などについても、視覚的に納得してもらうようにしています」と西村先生。開業当初からアレルギーのお子さまを抱える保護者などにも、疾患説明や生活指導を熱心に行ってきました。「時間はかかりますが、当時はまだ一般のアレルギーに関する認識は低かったので、少なくともその向上には役立ったのではないでしょうか」と振り返ります。
今後も誠心誠意、地域医療に尽力したい
西村先生は内科系疾患の患者さまも含め、毎日100名程度の診療を担いながら、通院困難な患者さまの往診を行う他、週1回、応援医と協力し高度認知症の患者さまが入所する特別養護老人ホームを嘱託医として訪問しています。「もう70歳も近いというのに、忙しいですね(笑)。でも、地域にはしっかり貢献できていると思います。今後もこのまま患者さまを自分の家族と思い、誠心誠意尽くしていきたいですね」と、その意欲が衰えることはありません。